この作品は、五代十国時代を下敷きにした架空中華世界で、大国の侵攻から小国を守ろうとする若き女王と、その策に関わる人々を描いた群像物語です。
特に印象的だったのは、丹国の使者から侮辱された衛婧が、怒りに任せて開戦を決めたように見せながら、実際には十日以上も前から国境の住民を避難させ、青い稲まで刈り取らせていた展開です。自分が若い女性として侮られることまで利用し、敵軍の補給を断ちながら民の生活も守ろうとする軍略には、女王としての非凡な才覚が表れていました。
また、その策を現地で実行する崔渉と邢曜が、自国民の家を焼くことに苦しみながら、避難する民の背を守ろうとする場面も印象的です。知略を考える女王だけでなく、命令を実行する若い将たちの葛藤まで描くことで、軍略に人間らしい温度と説得力が生まれています。
単なる天才女王の活躍ではなく、外交、軍事、諜報、そして敵味方それぞれの立場から、一つの戦いが形作られていくところが本作の大きな魅力だと思います。
序盤までの紹介となりますが、衛婧がこれから何を守り、何を失いながら女王として歩んでいくのか、架空中華ファンタジー&軍記物が好きな方には、オススメ出来る作品です。