「なあなあ、知ってるか?」
「なにを?」
「この学校、出るんだってさ」
「なにが?」
「ぶあけりょうちゃん」
「化けロリねえちゃん?」
「おい! ぶあけりょうちゃんだ! 気をつけろ。名前を間違えると怒るらしいぞ」
「へー。それでどんなやつなんだ?」
「子供らしい。そしてかわいい」
「ふーん。それでどうなるん?」
「今までの生活には戻れない」
その男は数日後から奇行が目立つようになった。
なにもいないところに話しかけたり、
昼食を食い散らかしたり、
挙動不審になったり。
それでもなぜか、その表情は柔らかかった。
「ぶあけりょうちゃん」と名乗る謎の怪異と遭遇した大学生の物語です。
怪異は出てきますがコメディ作品です。
ぶあけりょうちゃんをはじめ、登場人物がみな可愛らしい。
とにかく笑えるのですが、それ以上に微笑ましさに心温まります。
笑いの中でも物語はきちんと進行し、どんどん引き込まれていきます。
この作者様が生み出す笑いは、ののしったり、こき下ろしたり、乱暴な言葉を使ったりしない、優しい笑いです。そこも大きな魅力のひとつだと思います。
ぶあけりょうちゃんの可愛さに打ちひしがれてみてはいかがでしょうか。
その昔は「おいわさん」「お露さん」「お菊さん」から始まったものが、
トイレの花子さん、口裂け女さん、こっくりさん、私メリーさん、
そして、悟くんやら、まもるくんやらを経て、昨今では
くねくね、八尺様、巨頭ォ、シャイガイ……
それはそうである。人が増えれば、都市伝説と呼ばれる怪異は増えていくのである。
まさに怪異のダイバーシティといえようか。
そう当たり前なのだ。人間の想像力ほど、怪異は存在するのであるから。
問題は、その想像してしまった怪異を、相手と共有しなくてはならなくなった時である……。
ここに、真新しい『怪異?』が。
ぶあけりょうちゃん。一度聞いたら暴力的に頭に残る名前である。
女の子……というか幼女なのであるが、ひょんなことから主人公は、
このぶあけりょうちゃんと生活を共にすることに。
……考えてみたら、この時点で怪異と共同するという、不条理は起きていたのであるが。
彼女は、自らの形体、体型を意のままに操る事ができ、
ひとまずは……人間に危害を加えることはないようだ。
ところでこの作家先生がたびたび口にする言葉「和を以って尊しとなす」
これが実は切実なテーマであることを、本書を読めばわかっていたでけるはずである。
怪異も隣人も外国人も……居るんだから仕方ないだろ。仲良くしろよ。
という思想だと思うのだが、これが本当に言うは易しだが守らねば大変なことになるのである。
そのことを、痛感させられる中編。ぜひ、ご一読を。
まず、タイトルのぶあけりょうちゃんという名前に惹かれる。何だ何だ?
どういう意味だ?とまず思うだろう。大成功である。
そして、主人公鬼瓦龍太郎の怖がり度合いが面白い。見た目長身マッチョの上にこの名前を持ってして、大学生になった今でも、帰りが遅くなる部活には入らないといった徹底ぶり。
その超絶怖がりの龍太郎の前に現れたぶあけりょうちゃん、実は怪異である。
見た目愛らしい子どもだが、大きくなったり小さくなったりできる。
コメディ漫画のように、読んでいて場面が浮かんでくるいつもの志草ワールド。
今回は、可愛い上に自由奔放な子どもなので余計に漫画チックだ。
果たしてぶあけりょうちゃんに振り回される龍太郎の運命はいかに⁈
読んだらきっとあなたも、小さくなったぶあけりょうちゃんをキーホルダーにして鞄にぶら下げたいと思うようになるでしょう。
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作中で出てくる『ぶあけりょうちゃん』の意外性あるスペックの数々にとにかく心を揺れ動かされます。
怖がりな大学生な龍太郎は、ある日『ぶあけりょうちゃん』という奇妙な子供と会う。
名前からして不思議な存在。見た目は可愛い子供っぽいのだけれど、一緒に入ればいるほどその妖怪じみた『奇妙な側面』を垣間見させられることに。
このぶあけりょうちゃん。正体不明ながらもなぞの「フォームチェンジ」が出来るのがどうも性能として備わっているようで。
突然背丈が伸びて『八尺様』のような存在になる他、小人サイズに変身するなんてことも。
普通の状態に戻ったら戻ったで、家に連れ帰るのは「未成年」を連れまわしていると疑われるような「社会的恐怖」にさらされるという、別タイプのホラーな緊張感にまで苛まれる始末。
果たして、ぶあけりょうちゃんとの奇妙な生活の先には何が待っているのか。
本作はとにかく「ぶあけりょうちゃん」の変身の数々が魅力的で、「あ、この妖怪出てきた!」となる瞬間もあれば、「まさかこの変身でこんなスペックを発揮するとは!」と驚かされたりと、意外性のある姿の数々についつい頬が緩むことになります。
可愛くて不思議で、そして振り回される。新感覚なあやかしストーリー、是非とも手に取ってみてください。