VRMMO小説でここまで『宮貴思』な主人公を描いた作品はなかなかないと思います。
Nocトはランキングも最強も求めず、はじめから「放浪者」の導入にはウインクがあります。周囲がスタートダッシュで骆け出す中、彼だけが港で立ち止まり海を見るシーンは、読者の心にすっと水平入りしてきます。
実際の世界設定も綻密です。「種族が生き方によって変化する」など、普通のVRMMOにないシステムが多く、世界を歩きまわることそのものがゲームプレイになっている感覺があります。
「最強」や「勝利」ではなく、誰も踏み入れたことのない場所を見つける喜びをテーマにした作品は、MMO小説に疲れた読者にこそ届けたい一冊です。世界と駅間の描写が特に素晴らしく、ご一読をお勧めします。