本作を読み始めて、冒頭から『エンダーのゲーム』を彷彿とさせる既視感を覚えました。壮大な宇宙移民、文明の存続を背景に、一つの宇宙から「もう一つの宇宙」——仮想のゲーム世界へと繋がる。その接続が、二つの宇宙に未曾有の変化をもたらします。
しかし、異なるのは、今回の展開がVRMMOのゲーム世界を舞台としている点です。戦略や戦争の壮大さとは違い、一人ひとりの視点、一つひとつの行動や指示が、この世界に対する直接的で主観的な感覚として描かれます。現実の宇宙をも魅了してやまないこの仮想宇宙には、いったいどのような強烈な魅力、あるいは計り知れない影響力が秘められているのでしょうか。
そのすべてを掌握しているのが、元ゲームGMであり、世界そのものの創造主たる主人公です。
ゲーマーであれば、SFという題材に関わらず、作中に登場する用語やシステム機構は決して馴染みのないものではありません。次々と訪れるプレイヤーたち、あるいはゲーム内からの視点を追いながら、仮想と現実が織りなす運命の行方を、ぜひその目で確かめてみてください。