シリーズ第三弾は、事件の「その後」を描いた一編でした。ホストを辞めても夜の街から逃げられない主人公の生き方が、説明的になりすぎず、デリヘルの送迎という仕事ひとつでしっかり伝わってきます。
マコトとの対峙シーンが本作の核だと思います。ナイフを向けられる緊張から、二人がレンの本当の気持ちを探り合う会話へと移っていく流れが自然で、憎しみだけでは終わらない余韻を残しています。
デュポンの音が再びここで鳴るのも効果的で、前作からの繋がりを強く感じました。「残煙」を読んでからこちらを読むと、喪失の重さがより伝わってくると思います。