―Saturday― †あなたは永遠に†

†missing†ソウシツ†

【レージside Ⅶ】

昨日、あのあとまた寝入ってしまったらしい。


目が醒めた時は、太陽が空高く昇っていて、もう昼過ぎだと告げていた。


隣にある筈の温もりがないことに俺はすぐに気が付いて、言い知れない不安に襲われて、家中探し回った。


でもカスミはどこにもいなかった。


おかしいよな。


独りに慣れたつもりでいた。


“他人と関わるなんて煩わしい”

“孤独が当たり前だ”


――そう思っていた。


所詮、信じられるのは自分だけだと。

だけど、俺が思う程生きることはカンタンじゃなくて。


独りに慣れたんじゃない。


――ただそう思い込もうとしていたんだ。


『好きよ、レージの歌。私は世界でいっとう好きだわ』


ふと、カスミの声が聞こえた気がした。


それから無我夢中で――


何かに取り憑かれたかのように、俺はギターを爪弾きながら、ペンを紙上に走らせた。


曲が出来たら

また俺が歌ったら


カスミが戻って来る気がして。

一心不乱にペンを走らせた。


いつの間にか、夜は足早に過ぎ去っていて、気付けば空が赤らんでいた。


無機質な街の向こうから昇る朝日を久しぶりに眺める俺の心は、この空と同じくらい澄んでいて。


いつ以来だろう?

この街を“キレイ”だと感じたのは。


「でき……た……」


それは言葉に出来ない、カスミへの想いが詰まっていて。


「歌わないと」


そう、カスミへ届くように。


何故かそんな衝動に駆られる。


「カスミ」


思わず名を音にすれば、会いたい気持ちは膨らむばかり。

部屋は静か過ぎる程静かで。


一人で居るには広すぎる部屋は、どこか寒い。


携帯電話を手に取り、俺は今更気付いた。


――知らないんだ。カスミの携帯番号を知らない……


「いや……俺は何も知らないんだ」


そう、“カスミ”という名前以外、アイツの事は何も知らない。


それが堪らなく不安で。


気分を紛らわせる為にテレビのリモコンを手に取った。


そういえば、最近テレビもろくに見ていなかった気がする。




ヤ メ ナ ヨ




誰かがそっと囁いた。




俺は、その声を無視してテレビの電源を入れる。






――そして……






そして俺は……






映し出されたそろ映像に目を奪われた。




無表情なアナウンサーが淡々とニュースを読み上げる。


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