※「27話 依頼完了」までのレビューです。
派手なトリックを暴くのではなく、人が抱えてしまった「言葉にできない生きづらさ」を丁寧に拾い上げる、極めて上質な人間ドラマです。
本作の魅力は、謎解きや事件の解決だけをゴールとしない誠実な物語構成にあります。
一見ありがちな失踪や調査の依頼から始まりますが、アンナたちが追うのは単なる犯人や証拠ではなく、当事者が一人で背負い込んでしまった痛みの本質です。
日常に潜む歪みや孤立を多角的な視点から切り取っているので、深く引き込まれます。
また、キャラクターの内面描写が言葉だけに頼らず、手付かずの冷たい缶コーヒーや部屋に漂う沈黙といった「生活の機微や身体感覚」を通して克明に描かれている点も秀逸で、とても好みです☆
重苦しいテーマを扱いながらも、探偵・アンナの突き抜けたマイペースさと豚骨ラーメン愛、かすみとの小気味よい掛け合いが心地よい抜け感を生み出し、読後感はどこまでも爽やか。
誰かにそっと寄り添ってもらいたい時に、ぜひ手に取ってほしい名作です!