第2話 罪と転移
「いやー定期テストなんているかね〜。」
「何を言ってるんだ
「相変わらず
「まぁそうね。学力とお金と時間は持っておいて損はないわ。ただ
「やっぱり
「まだ悩んではいるんだけどね〜。この島に愛着はあるし、
「うるせぇ!お前はオレの母ちゃんか!」
「
「うん、ありがと
「やりたいことがあるだけいいよ。俺はとりあえずテスト疲れを癒したい……。」
「
7月下旬の今日、
「そうそう、最近お父さんの研究が進んだらしくてね、島の土地神さまがどんな神さまなのかがだんだん分かってきたんだって!」
「土地神って、確か丘上の
この
「そうそう!
「僕も小さいころによく聞かされたな〜おばあちゃんに「悪いことすると
「へぇ〜!お父さんもやんちゃな頃があったんだ!」
「いや、よく農具を勝手にいじってたから注意されてただけだよ。」
「なるほどね〜やっぱりお父さんらしいや。」
お父さんとお父さん……見た目と性格からみんなからはお父さんと呼ばれているが、神様の研究をしているのが
みんなの声が道端の猫を起こしてしまったところで今日は解散になった。この島には
翌日、
「それでね、丘の上にある
「お世話って……
「うええ……ち、違うの?ま、まぁともかく、その
「そういうのっていくら僕らだからって安易に口外していいものじゃないんじゃ……。」
「おぉ!興味あるな!まさかこの島で16年も過ごしてるオレたちにも知らない場所があったなんてな!」
「
「うるっせぇ!オレぁテストが終わって疲れてんだよ!頭にグラニュー糖が足りてねぇの!」
「
「あー!わかった!オレが悪かったよ。だからもうやめてくれ
全く、こいつの頭はどうなってるんだ?グラニュー糖とブドウ糖を間違えるなんて……いや、最近まで俺も姑息と卑怯を同じ意味だと勘違いしていたし、ここは黙っておこう。
「今日の放課後か、いいんじゃない?みんなはどう?」
「私は
「お前……オレ一応先輩だぞコラ……。」
「そこまで遅くならないなら僕も行くよ。何かあったときは僕が力になるからさ。」
「わーい!じゃあみんな学校が終わったら校門の前に集合ね!大丈夫、そこまで遠くない場所らしいから。
「あ、あぁ……行くよ。俺も行く。」
「よーし決まりね!今から楽しみだな〜私頑張っちゃうぞ!」
遊び半分で神様のお堂に行くなんて罰当たりじゃないかと少し不安に思ったが、大したことも起きないだろうと思い軽い気持ちでOKしてしまった。今日は帰ったらテスト期間中に読み止めておいた小説の続きを読もうと思っていたのだが……まぁ、そんなことはいつでもできる。神様とやらにも1つ聞いてみたいこともできたし、何より
━━この判断がまさか、あんなことになるなんて━━
テストの返却と夏休みのガイダンスが終わり、放課後俺たちは
「まさかこの山に本堂があるなんてな〜」
「そうね、少し意外だったわ。」
「ほ、本当にあるんだよね?はぁ……はぁ…
「不安になるようなこと言わないでよ〜でも大丈夫。お父さんがちゃんと理由も説明してくれたから。」
「理由ってなんだ?」
「うん。その場所は日のあたり方が特別で決まった時間じゃないと穴が空いているようにしか見えないんだって。それで、今の季節のこの夕方の時間帯だとちゃんとお堂が見えるらしいの。場所は……確かこの看板の正面に……ほら!あった!」
「おぉ本当だ。ほら
「パパさん……あまり私を子供扱いしないでくれませんか……?これでも一応今年で高校生になったんですから。しかしまぁ、これは……」
「うん、これは見えないわ。うちも小さい時に山で
こんな穴はいっぱい見たもの。」
「ふふん、どうだ!すごいでしょ〜。でも暗くてちょっと怖いかも……」
「大丈夫だって
「ちょっと見てみようぜ!」
「奥の方に
「気をつけなよ〜?転んでどこか壊したら
「わかってるって。
「うん。は、離さないでね?」
「この中に6人は狭いかな。僕は外を見てくるよ〜」
「
「はいはい。しっかしこの島にこんなところが……あれ?
「いや、ちょっと違和感というか……」
「違和感?」
その時、奥にある祭壇の
「っ!?い、今!」
「ちょ、ちょっと急に大きな声出さないでよ
びっくりするじゃない!」
「そうだぞ
「どうしたんだい!?今大きい声が!」
「「う、うわぁっ!!」」
「まずっっっ!!!」
▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀
大きい声を出したのが不味かった。外にいた
「ご、ごめん!みんな大丈夫かい!?」
「全く
「そうですよ!
「ほんとごめんよぉ……あ、
「お、俺は平気だけど像にぶつかっちゃって……。」
像の方を振り返ると、像の右腕が肘の辺りからポッキリと折れていた。
「あー!
「これは不可抗力だろ……!それよりもこんなことになって研究に響くんじゃ……。」
「いいの!それより夜が無事でよかったよ。でも、お父さんには怒られちゃうかなぁ。」
「ご、ごめん
「いや、僕がよく見ず猪みたいに突進したせいだよ!
「はぁ……全くもう。気をつけてよね〜?あ、それで
「あぁ……さっき、この像が動いたよう……な!?」
「腕が、繋がってる?」
バカな。そんなわけがない。俺は確かにこの目で折れたのを確認して、今まさにこの手で折れた像の右腕を持っていたはずなのに、なぜ、どうして、ありえない。
━━━━━━ 瞬間、像が強く光った ━━━━━
「ヒトの子よ。」
━━━━━━━ 声が、した ━━━━━━━━
「我が世界にて、汝らの超常たるを示せ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
直後、世界が暗転した。一歩も動けず、ただ俺は上も下もわからず深い海にいきなり落ちたかのように平衡感覚を失い、音も聞こえない真っ暗な世界の中でただ1つ思った。
「
聖だけは守らなくてはならない。自分のせいでこうなってしまったかのはわからないが、ただがむしゃらに手を伸ばした。あの子だけは守らなくてはダメだ。祈るような気持ちで伸ばした手に掴まれるような感覚はなく、空を掴むだけで落ちているのか浮かんでいるのかもわからないまま、意識が、だんだんと、うすれてーーー。
↓第2話『罪と転移』の補足です。
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