攻撃力も防御力もゼロ、手に入れた称号は不名誉な「コシヌケ」そんな主人公が、ただ魔物と友達になりたいという一点突破の発想で、結果的にゲームバランスを崩壊させていく様が爽快です。本人に戦う気がまったくないのに、テイムした魔物たちが勝手に最強化していくギャップが、ボケとツッコミのように機能しているのが上手いと思いました。
「その頃運営本部では」という挿話を挟みながら、想定外のバグ的存在に頭を抱える運営側の反応を描く構成もテンポが良く、ヤマト本人の無自覚さと周囲の右往左往ぶりのコントラストが笑いを生んでいます。最終的に「魔王子」としてスカウトされるという展開も、勝ち上がっていく爽快感とコメディのバカバカしさを両立させていて飽きません。
戦わない主人公が結果的に世界最強の存在になる、という「無双系」の新しい変化球として楽しめる作品です。
「攻撃力ゼロ、防御力ゼロ、でも魔物と友達になれる」という発想が、この作品の最大の魅力です。
主人公ヤマトは、周囲がスイアスを斬り伏せて経験値を稼ぐ中、小さなスライムの前にしゃがみ込んで「こんにちは」と笑顔で声をかける。その小さなシーンが、スライムが「ぴぃ」と返事をした瞬間に、読者の心にも何かたっぷりとのってくる。
「誰もやらない、オンリーワンの冒険」というヤマトの宣言通り、第一話からキャラクターの個性がピカイちに光ります。「最弱職湟」で携えていながらも、その直心・熱忣さに周囲の魔物たちが引き寄せられていく展開は予想できても相変わらず面白い。
可愛い魔物たちとの交流を温かく読みたい方、また「最影」と「最強」の逪説的な化学反応を樽しみたい方に、心からお勧めできる一冊です。