既存の地名や事物をもじったセンスあふれる言葉遊び、それにルビがずば抜けてかっこよく、異彩を放っている。細やかな設定が光る魔道具の数々、「神格鑑定局」公式の設定を落とし込んだ世界観。あと時々出てくる“カミハラ”!(いいですね、この設定)
主人公の鳥井野さんは新人ではあるが、昨今の流行である所謂「主人公最強」系のながれを組んだ神格としての面があり、同時にまだまだ成長が見込まれるあどけなさや芯の強さを併せ持つ。おそらく感情移入できる余地や主人公としての好感度が意識的に堅実に描写されており、作者の筆力の高さを感じさせられる要素でもある。
主要登場人物はみんなキャラが立っており、それぞれが魅力的に描かれている。とくに三営の面々は個性的で、もっと読みたい・知りたいと思わされてしまう。
晶連豆さんが公式設定として採用されているのも納得である。
「日常超常企業ファンタジー」とあらすじで紹介されているが、神格の同定、認識、その固定、このくだりもしっかり盛り込まれており、神が当たり前に在る日常の裏側の非日常性も描かれている本格派〈神格鑑定伝奇〉であるだろう。
自分も同企画に作品を送り出しているが、クロスオーバーというか設定をお借りしたくなったのは初めてのこと。
(社名とかさりげなく出してみたい! 連豆さんと自キャラを絡ませてみたい!)
ともかく、透徹とした流れの中でどこか危うく脆い薄氷の上に成り立つ日常を描いた良作である。
超絶おすすめです。