「フィクションであり、ノンフィクションです」という煽り文がまず印象的で、誰もが経験しうる“初恋の再会”というテーマに親しみやすさを感じます。お昼のおすそ分けや放課後の寄り道といった、ささやかな日常の積み重ねで蒼士の気持ちが少しずつ動いていく描き方は、恋愛初期のもどかしさをきちんと描こうとしている印象を受けました。
「桃輝の嫉妬」や「クレープは溶けません。」といった話タイトルからも、マイペースな桃輝とのやり取りが軽やかなテンポで進んでいきそうで、読んでいて自然と頬が緩む場面が多そうです。
大きな事件で動かすタイプの恋愛ものではなく、日常の中の小さな変化を丁寧に積み上げていくスタイルが好きな方に向いている作品だと思います。