世界を救うわけでも、人生が劇的に好転するわけでもない。給料日前に怯え、歩いて帰り、卵を食べられて怒り、猫に癒やされ、友人とくだらない話をする。そんな何でもない日を積み重ねていく作品です。それでも読み進めたくなるのは、日常を物語にする上手く、そこにいる人たちの温度が描かれているからだと感じました。【レビューコンテスト応募】
主人公は給料を前借りするレベルの貧乏社畜。この彼の日常を哀愁いっぱいにお届けする現代ドラマです。共感できる部分が多く、それを気取らない文章でスラスラと書いているのがとても好印象。綺麗か汚いかでいえば汚い部類なのに、それに引き込まれる、目が離せない。続きを読んでしまう。この気取らなさ、これはほかの小説ではなかなか味わえない成分であり、素晴らしい。疲れた時に読むと、この気さくな哀愁ドラマに癒されること間違いなしです。