名もなき下女として生きていたアリに、名と誇りを与えてくれた妃・乱華。その美しさと優しさを神のように崇めていた阿梨は、彼女の無惨な死を目の当たりにし、後宮の闇へと踏み込む決意を固める。疑惑が渦巻くのは、乱華を憎んだ第二妃・白瑛、冷たい第一妃・玉環、そして愛という名で縛りつけた皇帝──誰もが動機を秘めている。蟻と呼ばれた少女が、死せる花のために忠を捧げ、巨大な後宮の権力構造を噛み砕こうとする姿は凄烈で、静かな怒りが物語を牽引する。復讐と忠義が交錯する濃密な後宮劇。