本作でまず目を引くのは、カイという少年の自由さだ。
記憶を失っているはずなのに、彼は天真爛漫で、目の前の世界へまっすぐ飛び込んでいく。知らないものには驚き、面白そうなものには近づき、理不尽な相手には迷わず拳を向ける。
ヒロは、そんなカイを止めようとする常識役でもあり、同時に彼と共に進む相棒でもある。カイは毒や無機物さえ取り込みながら、戦いの中で姿を変え、どんどん進化していく。
この物語は、解き放たれた衝動が世界を押し広げていく冒険譚なのだと思う。
もちろん、カイの前には何度も障害が立ちはだかる。傷つき、倒れ、それでも彼は止まらない。ヒロの判断とカイの行動が噛み合った時、二人の旅はさらに先へ進んでいく。
物語はまだ途中だ。舞台はこれからさらに広がっていくのだろう。
何者にも止められないカイという衝動が、この先どこまで世界を振り回していくのか。そして、ヒロは傍らにどのように立つのか。その旅はこれからも続いていく。