しっかりとしたミステリの土台の上に、「天花寺弓弦」という一癖ある探偵と、お人好しで苦労人気質な刑事「月城尊」のキャラクターの魅力が生き生きと描かれ、非常に読み応えがあります。
現在軸での「独り身の刑事の家に勝手に上がり込んで高いコーヒーを淹れる遠慮のなさ」から、過去の出会い頭の「生意気だけど圧倒的に優秀な高校生探偵」への鮮やかな繋ぎ。
そしてカードゲームという一見事件とは無縁のホビー空間で起きた「爪を噛む癖」を利用した毒殺トリックの目付けの鋭さなど、キャラ文芸、本格ミステリとしての面白さがギュッと詰まっています。