本作は、最も身近な生理現象の1つである「おなら」を、特撮ヒーローのような壮大な語り口で描く、笑いの圧と勢いに圧倒される一作となっております。
作品全体はコメディで構成されており、真面目に丁寧に物事を描くことで、最高の「バカバカしさ」へと到達しています。
その例として、「不完全な良心回路」と「おならの開放」の間で真剣に苦悩し、通勤電車などの人混みで葛藤する主人公の姿など、笑いと人間臭さに惹かれること間違いなしです。
作者様の最大の手腕は、本作を、ただの下ネタで終わらせず、言葉遊び、格言の引用、妙に真面目な自己分析を積み重ねることで、ばかばかしい話を全力で知的に語りきる独自の文学的スタイルです。
放屁をどこまでも文学的に表現していくとこうなるのか、と感心するほどです。
「おならを我慢する」という日常の極限状態を、特撮風の壮大な語り口と緻密な哲学(放屁文学)で描き切った、くだらなさと知性が奇跡の融合を果たした快作コメディ。
コメディ好きな方は是非一度、放屁という名の文学をお楽しみいただければと思います。