アンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』を読んできた人間でも、とても楽しめる作品となっています。
本作は『悪魔の辞典』の構造をよく理解した上で、現代の創作者心理を冷静に切り取っています。
そして、創作者なら誰しも抱えている自虐や承認欲求を抽出し、少し笑えて、少し痛く刺してきて、思わず『そうなんだよな…』と共感してしまう言葉で綴っています。
私が特に気に入ったのは、「作風とは、作者が隠しきれなかった体臭である」という一文です。
ビアスならもっと辛辣に切り捨てたかもしれませんが、本作には創作者への愛情というか、優しさが残されています。
そのため、『悪魔の辞典』へのオマージュでありながら、現代の創作文化に合わせた独自の味わいが生まれています。
ビアスが好きな人にも、創作をしている人にもおすすめしたい一作です。
ぜひ一読してみてください。