【レビューコンテスト応募】
他人の熱情を理解できず、分厚いアクリル板越しに世界を眺めるように「レンタル彼女」として生きる主人公・伊織 。
彼女を毎週指名する常連客の大人な女性・遙は、伊織に優しく接しながらも、決して客とキャストの一線を越えようとはしません。
遙の瞳の奥に「過去に置いてきた誰かの面影」を見出した伊織は、彼女の頑なな自制心と歪な誠実さに苛立ちを覚え始めます。
そしてある真夏の日の逢瀬で、二人は遙の「過去の亡霊」そのものと残酷な再会を果たしてしまうのです。
本作の最大の魅力は、恋という感情を知らなかった主人公が、初めて抗えないほどの独占欲と熱情に目覚めていく息を呑むような心理描写にあります!
過去の失恋に囚われ、一人で静かに絶望を抱え込む遙に対し、伊織が理性を投げ打って「本当の私」をぶつける終盤の展開には、心が震えるほどのカタルシスを感じます。
ビジネスとしての疑似恋愛が崩壊し、生々しい感情と感情が激しくぶつかり合う瞬間がたまらなく官能的です。
過去の呪縛を力技で上書きする、強引で不器用な「救済」の形に酔いしれたい方に、全力でおすすめしたい極上の百合ストーリーです!