「森のマルシェと、メロンソーダ」は、メロンソーダの炭酸みたいに、胸の奥で止まっていた感情がしゅわっと動き出す物語でした。
七瀬時臣との記憶を抱えた主人公が、森のマルシェで出会った作家さんの言葉によって、“失敗”や“過去”を優しく見つめ直していく流れがとても美しいです。特に「本当に行くべきものは、ゆっくり選ばれて、その人のもとに行く」という台詞が心に残りました。
柊野有@ひいらぎ様ご自身がアクセサリーを制作される職人さんだからこそ、レジンや手作り雑貨の描写に温度が宿っていて、作品世界そのものが一つの小さなマルシェみたいでした。
読み終えたあと、不思議と“物を大切にしたい”、“自然に優しくありたい”という気持ちになれて、心の中にやわらかな風が吹いたようでした。