盲目の少女・真実と、どこか危うさを抱えた青年・遠山。少しずつ距離を縮めていく二人ですが、その周囲には、それぞれに傷や執着を抱えた人たちの思いが複雑に絡み合っていきます。誰かに愛されたい。そばにいてほしい。失いたくない。そんな一見やさしく見える願いが、いつの間にか歪み、思いもよらない方向へ向かっていくところが怖くもあり、引き込まれました。ひと夏の恋と喪失、その奥に隠された真実を追っていくミステリー。静かな違和感が少しずつ積み重なっていく、不穏で切ない物語です。