「AIという補助輪を取り外し、自分の足で漕いで行けるように」という概要が、この作品の動機を端的に語っている。AIの添削を経て本編「想心の引き金」を書く一方で、その前段として自分の言葉だけで文章を紡ぐ練習場をここに作る、という発想の順序が誠実だ。
「創作の原点」「創作の断念」「創作の復帰」と続く話数構成からは、創作と距離を置いた時期も含めて隠さずに記録していく姿勢が見える。「作者は主人公に自己投影する?」のような創作論的な小さな考察も挟まれていて、単なる練習帳というより思考の足跡として読める。
ぶっつけ本番ではできないから、と公言する正直さに好感を持った。拙さが育っていく過程そのものが、この作品の魅力なのだと思う。