七つのSF設定を使いながら、同じ問いへと向かっていく短編集です。超能力、時間遡行、透明人間——それぞれの設定が、変えられない現実に立たされた人間の姿を鮮明に映し出す鏡として機能しています。登場人物たちは誰も望んだ結末にたどり着かない。それでも、各話は言葉を一つ置いて終わります。きれいな答えではないからこそ、その言葉が妙な重みで残ります。「人間の弱さ」を、すっきりとした肯定ではなく、もう少し泥臭い形で受け取りたい人に届く作品です。