第14話 ゲームしようぜ!…はあ?
平成2年。
すでに35年前。
就職するまで茅ヶ崎で生活していた私はいわゆる“ゲームオタク”だった。
私の保有していたゲーム機
『ファミコン』
『スーパーファミコン』
『PCエンジン』
『CDロムロム』
『MSX』
だった。
茅ヶ崎は人口が多い。
ゆえに私程度のゲームの保有者は数多くいた。
同志は数多くいたんだ。
何しろ貧乏ではあったがバイトの収入は多かった私。
家に毎月4万入れていたが、残りはゲームにつぎ込んでいた。
そんな私だが田舎に来てからというもの。
何とゲームの話題、話せる人物がいなかった。
当然皆『マリオ』くらいは知っている。
でも。
どうやら田舎の人たち。
個人的な遊びよりも人とつるむ方が大事な人たちだった。
つまり遊びと言えばアウトドア。
バーベキューに登山、ツーリング。
後はなぜかゴルフにスキー!?
何処の金持ちだよっ!?
つまり『陽キャ』が殆どだった。
正直戸惑った。
何しろお一人様好きなのに…
夜な夜な消防という訳の分からない軍隊もどきに召集され。
さらには青年団と言う意味不明な組織の会合。
そして夜遅くまでゲームをしたい私を邪魔する早起き野球。
――集合朝の5時って。
(早すぎだろっ!?)
まだ18のわたくし。
キャパオーバーですよ?
さらにはまるで狙ったかのように届く結婚式の案内状。
もちろん新郎新婦、面識なぞございません。
「ばあちゃん、体痛いんだよ。代わりに行ってくれるかい?」
あの状況。
『嫌だ』と言える人はいない事だろう。
泣く泣く私は礼服に身を包み、知らない人たちとともにバスに揺られて行きました。
※※※※※
あの当時我が職場は週休1日。
土曜日は半ドン(えっと、お昼までってことです)
一応カレンダー通りで祝日は休日、だったのですが。
つまり貴重な日曜日。
そんなこんなで潰されていく悲しい現実。
辛かったことを覚えております。
で。
やっと迎えた5月のゴールデンウイーク。
意気揚々と、何故か母の知り合いのスリランカ人から買った怪しげなスバルの『レオーネ』と言う車を走らせ、茅ケ崎に里帰り。
久しぶりに会うゲーム仲間たち。
帰りの車で道路がにじんで見えていたことを思い出します。
※※※※※
先にも触れましたが。
田舎の若者たち、やけにアグレッシブなのです。
と言うかですね。
彼等は実に産まれてからのお付き合い。
すっげー仲いいんですよ。
他人が入れないほどに。
まあね。
人口の少ない『へき地』で生活していた彼等。
きっと自己防衛の意味もあったのだろうけど…
新参者には辛かったのですよ。
何しろ少し話が盛り上がれば出てくるのは思い出話。
「あのときさー」
「ああ、そうそう」
「お前あれ、よく食えたよなー」
うん。
よそから来た私は隅っこで、『早く解散にならないかな』と常に思っておりました。
それでもね。
私は頑張った。
青年団室、実は大きなテレビが放置してあったのです。
だから私。
ゲーム機を持ち込み、皆に問いかけました。
「ゲームしません?ボンバーマンとか、マルチタップもっているので…多人数プレイ、面白いですよ」
※※※※※
まあね。
良いですよ。
うん。
――「ふーん。面白いね」
一瞬の期待。
「……ねえ、5人でできるマリオ無いの?」
(ねえよっ!?)
「あっ!?えっと……そういうのは…」
「なんか目が疲れる―」
「うんうん。ゲームは一日30分。……誰か言ってたよね?」
(高橋名人なっ!?)
「……なあなあ、腹減らね?……中込、行くか…」
(うえっ!?…も、もうおしまい?)
※※※※※
――たった30分。
私のゲームの情熱は。
どうやらここでは通用しない。
早々に希望は打ち砕かれたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます