書眠り

音無詞

書眠り

私は本を読んでゐた

並んだ言葉に厭気が差した頃

蝶が一頭部屋に入つて来た


嗚呼さうか

私は夢を頫てゐたのかと独り納得した



又或る時文字を書ひてゐた

紆つた文字に厭気が差した頃

小鳥が一羽窓の傍で鳴ゐた


微睡の内で想ひ出したのは

私に才能が無いと云ふ事と

私が文学を何故続けるのかと云ふ事だつた


彩とり/゛\の世界の内で

私独りが文学をやつてゐた


届くはづの無い言葉が漸く /\

意味を以つた


唯 其れ丈だつた



夢はもう 醒めてしまつた

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書眠り 音無詞 @tukineko1412

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