実らしたいJKとの戦略ゆるふあバトル

神崎蒼葉

第1話 鉄格子の向こう側に恋がある

 高校2年の夏、柏木結菜かしわぎゆいなに告白する男子がいた。

 ごめんなさい。

 校舎裏でその声が気品に響いた。

 こうして男子の恋は実らなかったが、悔いのない様に聞いていた。


「好きな人がいたんですね。困らせてしまい申し訳なかったです」


「え、私そんな事言いました…」


「教えて下さい」


「いません」


 目線が下にいく柏木がその場を後にした。

 告白されたのは何回か経験のある柏木は高嶺の花の様な人気があり、本人はその事を悪い様に思わない。

 むしろその印象を育てているとも言える。

 家に着くと、母が出迎えた。

 

「おかえり結菜。ちゃんと手を洗ってうがいするのよ」


 分かってる。そう残して部屋に入る。

 整理されて綺麗な内装、机に鞄を置いて手洗いうがいをして来た柏木は少し、心を痛めていた。

 告白する勇気なんてない。

 フラれたら今までの関係が崩れるかもって。

 柏木はそう思い、ベッドの隙間に入れてあるスタンガンを取り出す。

 バチ、バチり。

 ぢりぢり。

 強さの加減によって電気の放出量が違う。

 放課後の事を思い出すと、心が揺れて、思わずスタンガンを強く押す柏木。

 部屋がプラズマみたいになり、電流が床を走り出す。


「はぁはぁ」


 部屋にはクラス写真が飾っており、電流の影響か、がたっと床に落ちた。

 いけない。

 柏木は大切そうに戻していた。

 愛おしい様に、ある同級生を見つめて、私。

 できるか、いえ、こうしちゃダメ。

 柏木はカモフラージュしていた床の所にコンコンと叩く。

 すると取っ手が出てくる。

 引くと、穴を開けて建設した地下の空間に行き着く。

 みんな恋してるんだ。

 その空間で柏木はバチバチとスタンガンを鳴らし、電流が鉄格子を光らした。

 ここに、入れて、毎日、分からせて、私のものにする。

 鼓動が跳ね上がって息切れた姿があった。

 テレビドラマを見ている母が、その下で娘が準備している事を知らずにせんべいをかじった。

 盲目な恋が、地下の鉄格子の中で電流を走らせる柏木結菜は着実に、その子へ、向けて興奮していた。

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