断章 好奇 その1
唐突に許可を出された。いやまぁ好奇心があったことは認めるけど。いくらなんでも流石に早過ぎるのではないだろうか?
自分でも見ないようにしていた。それは俺にも一応倫理観というものがあったのだろう。しかしそれは、いともたやすく突き付けられた。
そんな誰でもあの人みたいにホイホイと人体実験するわけにはいかないだろう。なんか…倫理的に。
あの人と話すのはどんどん知らないことが知れて、考えることができて楽しいけど、あの人がやっぱりヤバいことだけはわかる。
この研究に携わったらみんなあんな風になるのか?流石にあの人が異質なだけだよな?
もしこのままあの人と一緒にいると「別に人体を傷つけるわけでもないし」とかいってホイホイ人体実験なんかもするようになってしまうのだろうか。
それはちょっと怖いなぁ。
問いを投げることは、誰かの世界を揺らすことだ——その重さを、俺はまだ知らない。
俺は問いを投げる者になった——それは、語りの始まりである、のかもしれない。
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