第4話



伊織くんに言われたことを、そのまま涼子に話したけれど、レオ先輩と涼子は付き合い始めた。


涼子はそれでもレオ先輩が好きだと、言っていた。


きっと今頃、2人で帰ってるんだろうな。

いいな、羨ましいな。



「舞白。」


「え?」


放課後、体育教師の担任からボールを片付けてほしいと頼まれ、体育館倉庫でバスケットボールの片付けをしていた。


「何してるの?」


「コハク先輩こそ、何してるんですか?」


「舞白が見えたから来たんだよ。」


「そうですか。」


「ねぇ、素っ気なさすぎじゃない?」


「そんなことありません。キャッ、」


転ぶ、と思った。


「危な。」


身体がフワリと浮いた。

コハク先輩が抱き止めてくれたらしい。


「あ、ありがとうございます。」


「ドジなの?」


「違います。あの、おろしてください。」


「舞白。」


と言いながら、下ろしてくれた。


「何ですか?」


「伊織の彼女なの?」


もしかして伊織くん、コハク先輩に何も言ってないの?


「違います。」


「じゃあ伊織のこと好きなの?」


「それは、」


好きだけど、お兄ちゃんだからだよ。

絶対意味、違うよね。



「伊織なんてやめときなよ。」


「え?」


「伊織より、舞白のこと満足させるし。」



コハク先輩の手が、私の太ももをなぞりスカートを捲ろうと動く。



「やめ、」


「かわい。」


「や、やめてください!」


「おっと、」



コハク先輩をパンチしようとした手を、そのまま掴まれた。



「そんな可愛いパンチじゃ守れないよ?」


「離して!」


「無理。」



掴まれた手をグッと引き寄せられ、思いっきり抱きしめられた。


香水なのか、制服からいい香りがした。



「何するんですか。」


「ハグだよ。」


「離してください。」



離れようとしても、全然離してくれない。



「舞白。」


「ンン、」



気づけば、唇が重なっていた。


コハク先輩は慣れたようにキスを続け、その唇で私の首筋をなぞった。


肩がビクッとなり、足に力が入らなくなった。



「大丈夫?」


「だ、大丈夫じゃないです。」


「かわい。」


コハク先輩の綺麗な目が、私を見つめた。



「食べていい?」


「ダメです。」


「かわいすぎ。」



そう言って、コハク先輩はまた私にキスをした。

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