第4話 アリサ side

 私の名前はアリサ。偽名である。辺境伯家の次女であることから偽名を使い、この街で冒険者をしていたのだ。

 冒険者として活動中(仲間は私ともう一人の連れのみ)ひょんなことから、己の魔力のコントロールを誤ってしまい、すぐに{魔力欠乏症}を発症してしまったのだ。帰りの道中に発症し、宿へかたどり着いたときにはおそらく危険域まで数時間だったはずだ。私たちのような貧乏冒険者がタンク役の男性を同行させることなどできるはずもない。


 たどり着いた宿には、男性はたった一人しか居なかった。疲労困憊状態の私は声も出せずにいたらその男性は 助けを求めたにもかかわらず自分の部屋にこもった。

 一般に男性のの能力は知りようがない。鑑定しても名前がせいぜいわかるだけでタンクとしての保有魔力量はわからない。なのでその男性が私を助けられるほどの魔力量を有していたかは不明だ。だがせめて満タンでなくとも少しだけでも魔力譲渡して貰えれば最悪のことは回避できるのだ。


 最悪の場合、この身を売ってでも魔力譲渡してもらうために宿の給仕のお姉さんに頼んで彼の部屋へ突撃した。3人で。

 この身を捧げる覚悟までしたのだが、その男性はあっさりと魔力譲渡を了承してくれた。それもただで。ただし情報漏洩しないことが条件だった。


 魔力譲渡・・・この世界ではかなり大変なことなのだ。男性の能力によっては丸1火かそれ以上かかる場合もあるのだ。

 渡しの場合は幸い基本魔力が少ないので、手を繋いでの魔力譲渡でも10分か20分あれば終わる。

 3秒。たったの3秒でおわったのだ。は?

 3人とも信じられなかった。そんなことがあり得るのか?

 世の中に彼のような実力者が居たのか?

 見てくれもよい。いや良すぎてかれと目があったときには思わず赤面してしまった。

 あれよあれよと譲渡完了後、部屋を追い出されわたしの魔力欠乏症は無事完治したのだった。


 翌朝、彼にお礼をしなければ、と部屋を訪ねるとすでに出かけたあとだった。

 なんでも戦争が原因で国中の男性が前線に送り込まれたのだとか・・


 きっともう一度彼に会おう。会ってお礼の一言もいわなきゃ。で、できればお近づきになって・・お嫁さんにしてもらいたい・・ うふっ


 早速戦場への荷物運搬の仕事を冒険組合でかっさらって2人で出かけたよ。


 待っててね、未来の旦那様!

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