【ヒトコワ】ルールに厳しい人(電車の優先席)


電車の優先席とは、高齢者、身体が不自由な方、妊婦、乳幼児連れの方、怪我をしている方など、席を必要としている人が優先的に座れるように指定された座席です。空いている時は誰でも座れますが、対象となる方が乗ってきた場合は、譲り合いの精神で席を譲りましょう。



「あの〜席を譲ってくれますか」


「え!?……あなたどこか体調が悪いのか?」


空いていたので優先席に座っていたのだが、青年に声をかけられた。しかもそいつは席を譲ってほしいと言う。別に譲ってもいいけど、青年は特に怪我をしてしているようには見えなし、身体が不自由にも見えない。もちろん高齢者な…わけもないな。それでどうして譲る必要があるのか!納得がいかなかったので譲る気になれなかった。


「いえどこも、


     ただ、ここ優先席ですので、


 譲って貰わないと、


         だって

      

           あなたは生きてますよね」



不気味な言い回しをする青年、

そして生きている?当たり前のことを言いやがる。


「はぁ?何を言っているんだよ」

こんなことを言われれば当然強く言いたくなる。

やや苛立ちを滲み出し言ってやると。




「よく見てくださいよ。この席、死者優先って書いてあるじゃないですか」


え!?何を言って…

後ろを見ると確かに窓には死者優先とラベルが貼ってある。あり得ないがあるんだ!


驚きながら前に向き直すと青年の顔はボロボロと崩れ醜く歪んだ顔は恐怖を与えた。


ひぃ〜と情けない声を漏らし、

ジタバタと地面に転がる。



「まだあなたは生きてますので、一番前の列車に急いで行って、次の駅で降りてください。運が良ければ助かりますから」


青年はニッコリと笑うが、

崩れた顔では恐怖しか与えなかった。

優先席に座っていた男は慌てて走って行った。




………▽


「お疲れさん、ちょっとやり過ぎじゃないの〜」

近くに座っていた男が青年に声をかける。


「いいえ、あのくらいやって当然です!いつもいつも、お年寄りや妊婦の方がおられるのに、一向に席を譲ろうとしない。あのような人は二度と優先席に座らないようにするべきなんですよ!」


青年は激情を見せ、近くの人を驚かせるのだが、

誰も文句も注意もしない。


「ま〜俺は金さえ貰えれればいいけどよ。一つの列車の貸切とエキストラ100人か、俺には出来ないな」


「そうですか?ルールを守らないヤツを見過ごす方が難しいと思いますけど」


青年は平然と言ってのけたのだが、

誰も返事が出来ませんでした。

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