裏社会という言葉は、絶対に近付きたくないと思うと同時に少しだけゾクゾクするような危険な響きである。普段は真面目に、そして平和に生きているからこそなのかもしれない。そういう『おっかない』物に対する危険な好奇心は誰にだってある。
……だが、だからといって好奇心や良からぬ欲望程度の動機で近付いてはならない。本作でそんな事をすれば、硝煙の香りと共に自分の血で出来た赤い海に沈む事になる。もし本作を読むのならば、『赤い髪の美女』に気を付けた方がいい。一見見目麗しい彼女の魂には、金と欲望の渦巻く悪しき摩天楼の中で染み付いた『死神』がいるのだから……
銃、暴力、そして欲望。そんなあらゆる悪の渦巻く街にそれでも行こうと言うのなら、私は止めない。