『週末を持て余してる人に捧げる本棚作り』より拝読に参りました。
素粒子論やゲージ場、マイクロ・ブラックホールなどを扱った、かなり硬派なSF作品でした。
専門的な題材を、月曜日から土曜日へと進む構成に落とし込んでいるところが面白かったです。
曜日ごとに神話の神々を重ねながら、研究者の思考がだんだん熱を帯びていく。
最初は理論を追いかける高揚として読めるのに、進むにつれて、その発見が取り返しのつかないものだったと見えてくる流れが印象的でした。
特に、木曜日あたりの「自分の理論が大きなものになるかもしれない」という興奮から、土曜日の「世界を終わらせるスイッチを押してしまった」という認識へ落ちていくところに、研究者の怖さと哀しさがありました。
理論の正しさそのものというより、知ってしまった人間の弱さを書く作品なのだと思います。
タイトルの『ウィーク・エンド』が、Week Endであり、Weak Endでもあるという仕掛けも効いていました。
週の終わり。
世界の終わり。
そして、人間の弱さが招く終わり。
その重なり方が綺麗でした。
理論物理と神話と終末を、一週間という時間の中に畳み込む構成に独特の迫力がありました。
短編ですが、読み終えたあとに、静かにぞわっとするタイプのSFでした。