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電鈴の時刻

電鈴の時刻

小川ハリ

おすすめレビュー

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★★★
★6
2人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 銀猫
    395件の
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    ★★★ Excellent!!!

    ベルが鳴るまでの、立ち止まった時間に寄り添う詩集

    発車を告げるベル、学校のチャイム、開いては閉じるホームドア。

    この作品には、何かが始まることを知らせる音と、その合図を前にして、まだ動き出せずにいる人の姿が描かれています。

    窓から差し込む光、畳まれるタオル、冷めていく紅茶、読みかけの本、空になったマグカップ。

    ごく身近な風景の中に、離れたいのに離れたくない思い、終わらせたいのに終われない時間、誰かへ届いてほしい言葉が、静かに沈んでいます。

    けれど、立ち止まっているように見える時間の中でも、光は動き、季節は移り、列車はどこかへ向かっていく。

    傷を消すのではなく、それを抱えたまま生きようとする、小さな決意が感じられました。

    乗ることも、見送ることも、すぐには選べなくていい。

    ベルが鳴るまでの境界に立つ心へ、そっと寄り添ってくれる、美しく静謐な詩集です。

    • 2026年7月12日 20:04