夏美は情報通を自認する女子高生。が、そのプライド故にある失敗をしてしまう。そんなときだ。雑貨屋にてかけるだけで噂がデマかマジかを決められるようになるという“デマジ眼鏡”と出遭ったのは。眼鏡の力を使い、彼女は自信を取り戻す。加えて周囲の人々の幸せを手助けしていくのだが……
不思議アイテムで一変する日常、少女×SFの王道ですよねぇ。かくて騒動が巻き起こるわけですけれども、設定語りはありません。主人公の夏美さんを中心としたキャラクターの心情や関係性、その動きに集中する形で物語は進んでいくのです。
心を鷲掴まれたのは、著者さんの筆が容赦なく突きつけてくる青春時代にありがちな独善性とそれがもたらす不幸の辛(から)さと辛(つら)さ。そしてそのただ中で夏美さんが自らの行いに苛まれ、そしてきちんと反省した上で前を向く――タグにある“寓話”性を浮き彫った成長劇の快さと爽やかな読後感です。
短いお話なのですが本当に無駄がなくて、物語性の高さに加えて小説的機能美も魅せてくれる。おすすめ以外に言葉なしの一作です。
(「じょしえふ!―女子×SF―」4選/文=髙橋剛)