魔王に処刑され仲間は全滅、魔力は尽き身体はボロボロ。
それでも魔王軍最強幹部ゲラルドは、生きていた――という冒頭が強烈で、読者を一気に“全滅エンドのその先”へと連れていく。
逃げ落ちた森で彼が拾い上げるのは、死んだ人間の少女。
敵対種族であるはずの彼女を蘇生するという選択は、ゲラルドの心の奥に残った“誰かを守りたい”という願いを静かに浮かび上がらせる。
フィジカル最強で蘇生持ちという彼の能力が、ただの無双ではなく“救済の力”として描かれる点がこの作品の魅力。
蘇生された少女は天真爛漫で、ゲラルドと旅に出たいと願う。
ゲラルドは仲間の仇を取らねばならない。
二人の目的は違うのに、共に歩むことで少しずつ互いの傷が癒えていく関係性が温かく、ダークな世界観の中で光のように輝く。
すべてを失った最強の魔人が、一度死んだ少女と共に、魔王を討つために再び立ち上がる――
“無双”の爽快感と“再生”の切なさが同居する、救済系ダークファンタジー。