第1話のテンポが最高に気持ちいい。
ログインして三十秒で嫌な予感しかしないクランチャットが飛び込んでくる冒頭、「前回は巨大鳥に喧嘩売って空まで連れていかれた」「前々回は謎薬でモチが三倍に膨らんだ」というさらっと書かれた歴史だけで、このクランの日常の濃度が伝わってくる。
主人公カイの内心ツッコミのテンポが絶妙で、謎の超強者ルシェルに「待っていた」と声をかけられる場面の「怖い怖い怖い」「ストーカー発言に聞こえるからやめて」という即反応が笑える。そしてクランメンバー四人が木の後ろで「見学」「観測」「通常運転」と実況しているくだりが、仲間の個性をセリフだけで鮮やかに描いていた。
肩乗りペット・モチがルシェルに飛び移り気持ちよさそうにしている「裏切り」と、モチの「仲間かも?」顔で終わるラストも愛おしい。ゆるさの中にしっかり笑いと温かさが共存している作品だ。