高校卒業を迎えた木花小春が育ったのは、自然豊かな「夢幻の郷」と呼ばれる秘密の集落。
ここでは、人の夢を通じて未来や出来事を視る「夢紡(ゆめつむぎ)の御力」を持つ女性たちが暮らしており、その存在は政府によって極秘に守られています。
そのような物語の世界観に強く惹かれるものを感じました。
小春自身も夢紡の力を持っているものの、能力はそれほど強くなく、「夢紡の姫」になる予定もないため、帝都の大学へ進学することになります。
そして祖母であり現役の「夢紡の姫」である木花トキと再会することで、新生活の準備は予想外の展開を迎えていく。
帝や公安警察といった独特の設定も魅力的で、夢がテーマとなる物語には、深層意識に語りかけてくるような不思議な力があるように感じました。
初対面のイケメン青年との共同生活には、読んでいてワクワクするものがあり、苦手な食べ物を恥ずかしそうに告白する青年「狼弦(ろうげん)」の姿がなんともかわいらしい。
普通の大学生活では終わらない、秘密と危険に満ちた新生活の先行きがとても気になります。
現代日本と伝奇小説の融合という雰囲気も持つ、とても素敵な恋愛ファンタジーをぜひ多くの人に楽しんでもらいたいです。