幽霊屋敷への肝試しという王道のホラー入りから、押し入れの底で見つけた壊れたトランシーバーが過去との交信装置になっていくという展開の転調が巧みだ。電源すら入らないはずの機械から響く「.....はだれ......きみはだれ.......」という声が、軽い気持ちで始まった肝試しを一気に取り返しのつかない領域へ連れていく。
10年前に殺された女子生徒という過去の事件が浮かび上がり、運命を変えようとする少年たちの介入がむしろ歴史を歪めていくという構成は、単純な怪奇現象に留まらず、時間をめぐるサスペンスとしての厚みを生んでいる。地方の夜道や学校周辺の描写が丁寧で、90年代を思わせるノスタルジックな空気感がそのまま恐怖の土台になっているのも印象的だ。
連載中・全17話、すでに83人のフォロワーを集める人気作。少年たちのノリの軽さが恐怖にすり替わっていく過程を、じっくり追いかけたい一作だ。