使い捨てカメラという日常的なアイテムを媒介にした、生理的嫌悪感をあおるホラー描写が秀逸だ。シャッターを切るごとにカウントダウンが進み、日常が古い土蔵や泥水といった凄惨な過去の記憶に侵食されていく演出が緊迫感を高めている。現像された写真の不気味な構図や、カメラを通じて怪異と「撮り合う」メタ的な恐怖、そして因果が次の犠牲者へと連鎖していくソリッドな構成が読者を惹きつける。
不気味な都市伝説や因習村系のホラーが好きな人。視覚的・生理的な恐怖演出をじっくり味わいたい人。理不尽な呪いの連鎖を描くサスペンスホラーを読みたい読者におすすめできる。