二人の関係の変化が、ぜんぶ"呼び名"だけで書かれている。呼び方が変わるたびに、距離が変わっていく。心情の説明は、ほとんどありません。それなのに、全部わかってしまう。しかも、悪い人がひとりも出てきません。誰のことも憎めないまま、静かに、間に合わなくなっていく。だから苦いのに、読後がきれいです。そして最後、たった一個の濁点が、こんなに残酷で、こんなに愛おしいものだったと知らされます。
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