2026年6月5日 08:36
海と大木への応援コメント
文芸部へのご参加、ありがとうございます。冒頭の「白濁。」という一言から、読者も主人公とともに「ここがどこなのか分からない」不穏な異空間へと一瞬で引きずり込まれる感覚が強烈でした。■ 全体を読んでの感想楕円形の隙間の向こうにいる「汗だくのおじいさん」という妙に生活感のある奇妙な景色から、次の瞬間には「眼下に広がる海と迫りくる波」という圧倒的なスケールの恐怖へと、カメラワークが目まぐるしく切り替わっていくスピード感が素晴らしいです。すべてのイメージが現実のルールを無視して繋がっていく様子は、まさにダリやマグリットの絵画のような「シュルレアリスム」の世界観。最後に見つめた灰色の大木の枝が、モヤの中で「子供たちの手のひら」に変貌していく不気味さのピークから、バツンと「自分の部屋」という日常に引き戻される幕切れの鮮やかさに、強烈な目眩を覚えるような読書体験をいただきました。■ お題「省略法」の活用について本作では、テーマである「省略法」が、物語の『状況説明』や『因果関係』をあえて引き算することで、理屈を超えた夢の不条理さを最大化するために使われていました。・【空間が移動する『理由やプロセスの省略』】なぜ部屋の隙間がベランダの海に繋がり、そこからさらに大木の森へとジャンプするのか、その因果関係が一切語られず徹底して「省略」されています。この引き算があるからこそ、読者は「なぜ?」と考える間もなくイメージの濁流に押し流され、主人公が味わっている五感のパニックをそのままダイレクトに共有できたように思います。■ 「異化」や「シュルレアリスム」的なアプローチについてまた、本作はお題の引き算(省略)以上に、見慣れた日常の記号を全く別の未知なる恐怖へと変貌させる「異化効果」や「シュルレアリスム」の技法が主軸として鮮烈に機能していると感じました。・【『音』の異化:意味を持たない言語のリフレイン】作中で何度も繰り返される「Ahaaaaa」という声。最初は知らない男の乾いた声、次は潤った子供たちの声へと、同じ響きでありながら状況によって質感を変えて耳に飛び込んできます。言葉としての意味を剥ぎ取られ、ただの「音の塊」として空間を支配するこの声が、作品全体の不条理な恐怖感をじわじわと底上げしていました。・【『視覚』の異化:大木と身体性の融合】終盤に登場する灰色の大木。天に伸びた枝という枝を見つめるうちに「子供たちの手のひらに見えてきた」という描写は、まさに「異化」の真骨頂だと感じました。自然物であるはずの木が、モヤの中で生々しい人間の身体性を持って迫ってくる圧倒的な不気味さ。この歪みなワンシーンがあるからこそ、最後の「自分の部屋」という静寂への着地がより一層際立っていました。■ 最後に言葉の説明を排し、イメージの変容だけで読者の脳内に直接夢の景色を組み立てるような、非常に尖った芸術的センスを感じる素晴らしい作品をありがとうございました。また部室にて、あなたの紡ぐ、常識の枠を鮮やかに飛び越える瑞々しい物語に出会えるのを心より楽しみにしております。
作者からの返信
@naimazeさんなんとご丁寧に…。ここまで褒めてもらって感無量です。夢の中のまるで条理のような不条理を表すため、とにかく説明を省略しました。わけのわからなさ、感情がただただ揺れ動かされていくその面白さを汲み取ってもらいありがとうございました。
2026年6月4日 22:57
ケーエス 様なかなかどうして面白い。「Ahaaaaa」一度聞いたら、耳について忘れられない声ですね。
天音空さんコメントありがとうございます。Ahaaaa。
2026年6月4日 14:35
2000文字以内のお題企画にご参加ありがとうございます!文学的でおもしろかったです!場面が次から次へとたくさん変わっていって楽しませていただきましたです♪
クロノヒョウさんいつもありがとうございます!今回はいつもと違うテイストでやってみました。実際の夢をもとにしていますが、次々と移り変わる場面、整合性がないのに整合性がとれているようなそんな不思議な夢の感じを目指しました。
海と大木への応援コメント
文芸部へのご参加、ありがとうございます。
冒頭の「白濁。」という一言から、読者も主人公とともに「ここがどこなのか分からない」不穏な異空間へと一瞬で引きずり込まれる感覚が強烈でした。
■ 全体を読んでの感想
楕円形の隙間の向こうにいる「汗だくのおじいさん」という妙に生活感のある奇妙な景色から、次の瞬間には「眼下に広がる海と迫りくる波」という圧倒的なスケールの恐怖へと、カメラワークが目まぐるしく切り替わっていくスピード感が素晴らしいです。
すべてのイメージが現実のルールを無視して繋がっていく様子は、まさにダリやマグリットの絵画のような「シュルレアリスム」の世界観。最後に見つめた灰色の大木の枝が、モヤの中で「子供たちの手のひら」に変貌していく不気味さのピークから、バツンと「自分の部屋」という日常に引き戻される幕切れの鮮やかさに、強烈な目眩を覚えるような読書体験をいただきました。
■ お題「省略法」の活用について
本作では、テーマである「省略法」が、物語の『状況説明』や『因果関係』をあえて引き算することで、理屈を超えた夢の不条理さを最大化するために使われていました。
・【空間が移動する『理由やプロセスの省略』】
なぜ部屋の隙間がベランダの海に繋がり、そこからさらに大木の森へとジャンプするのか、その因果関係が一切語られず徹底して「省略」されています。この引き算があるからこそ、読者は「なぜ?」と考える間もなくイメージの濁流に押し流され、主人公が味わっている五感のパニックをそのままダイレクトに共有できたように思います。
■ 「異化」や「シュルレアリスム」的なアプローチについて
また、本作はお題の引き算(省略)以上に、見慣れた日常の記号を全く別の未知なる恐怖へと変貌させる「異化効果」や「シュルレアリスム」の技法が主軸として鮮烈に機能していると感じました。
・【『音』の異化:意味を持たない言語のリフレイン】
作中で何度も繰り返される「Ahaaaaa」という声。最初は知らない男の乾いた声、次は潤った子供たちの声へと、同じ響きでありながら状況によって質感を変えて耳に飛び込んできます。言葉としての意味を剥ぎ取られ、ただの「音の塊」として空間を支配するこの声が、作品全体の不条理な恐怖感をじわじわと底上げしていました。
・【『視覚』の異化:大木と身体性の融合】
終盤に登場する灰色の大木。天に伸びた枝という枝を見つめるうちに「子供たちの手のひらに見えてきた」という描写は、まさに「異化」の真骨頂だと感じました。自然物であるはずの木が、モヤの中で生々しい人間の身体性を持って迫ってくる圧倒的な不気味さ。この歪みなワンシーンがあるからこそ、最後の「自分の部屋」という静寂への着地がより一層際立っていました。
■ 最後に
言葉の説明を排し、イメージの変容だけで読者の脳内に直接夢の景色を組み立てるような、非常に尖った芸術的センスを感じる素晴らしい作品をありがとうございました。
また部室にて、あなたの紡ぐ、常識の枠を鮮やかに飛び越える瑞々しい物語に出会えるのを心より楽しみにしております。
作者からの返信
@naimazeさん
なんとご丁寧に…。
ここまで褒めてもらって感無量です。夢の中のまるで条理のような不条理を表すため、とにかく説明を省略しました。わけのわからなさ、感情がただただ揺れ動かされていくその面白さを汲み取ってもらいありがとうございました。