新月から48時間外に出ないと決めている汐里の異質な習慣が、屋上から女子生徒が飛び降りたという報道と結びついた瞬間に、物語全体の不穏さが一気に立ち上がる。中学時代からの友人・佳楠と共に暮らす片田舎の下宿という舞台設定が、二人の関係の密度をより濃く感じさせている。
各話タイトルが「ハートのキーホルダー」「10日前」「姉妹のミサンガ」「磐船りん」と固有の手がかりを並べる形式になっており、断片的な情報が少しずつ繋がって真相に迫っていく構成は、@aoi_mystery作品らしい丁寧な伏線回収を予感させる。「壊れてたって、生きていける」という概要の一文が、重いテーマを安易な感動に流さず受け止める誠実さを示しているようだ。
完結済み・全7話・1万8千字強というコンパクトな尺。汐里の秘密と「おそらく彼女は」という結びのタイトルが指す真実、その両方が気になる一作だ。