夢の中で、語り手はある場所を目指して歩きます。なぜ向かうのか、何を求めているのか本文はそれを説明しないまま進みます。それでも、何かが先に動いていくそのまま最後まで連れていかれる作品です。夏目漱石の『夢十夜』へのオマージュとして書かれていますが、この作品にしかない問いと余韻があります。説明より先に動くものを信じることが、どういうことかそういう感触が好きな人に届いてほしい作品です。