第十九話 喪失の音
時間だけが過ぎていく。
一人の時間は、
嫌なことをすべて忘れられる。
——そう、思っていた。
あの日から、一ヵ月。
私の心を蝕んでいたものは、
確かに消えた。
……はずだった。
けれどそれは、
すぐに別の重みへと姿を変えた。
こんなことになるのなら——
あのまま叔父の駒として生きていた方が、
まだ楽だったのかもしれない。
南。
啓一。
好恵。
三人からの連絡は止まらない。
それでも、
スマホを手に取る気にはなれなかった。
……ああ。
もう、全部どうでもいい。
……このまま、消えてしまいたい。
私が私でいられる場所は——
もう、
なくなってしまったのだから。
♫♫♫
その日の桐岡の声は、
どこまでも平坦だった。
まるで、
天気予報でも読み上げるように。
そこにあるのは、
怒りでも、侮蔑でもない。
ただ、
決定事項を確認するためだけの声。
「まず——」
画面が切り替わる。
叔父の秘書が、
小さく息を呑んだ。
「貴子様の活動に関する管理権限は、
本日をもって
すべて返還していただきます」
淡々と。
容赦なく。
「各種配信サイト。
動画投稿サービス。
広告収益連携口座——」
一覧が並ぶ。
見覚えのあるアカウント名。
自分の名前。
けれど、
知らない管理情報。
「ログイン情報。
認証端末。
連携メールアドレスの変更も——
すでに把握済みです」
叔父の眉が、
ぴくりと動く。
「……把握済み?」
初めて、
その声に焦りが滲んだ。
桐岡は視線すら上げない。
ただ、
次のページを開く。
カタ。
「先日の会談を記録する一方で、
弊財閥の情報管理部門が
並行して調査を行いました」
カタ、カタ。
「必要最低限の手段によって、
貴殿が管理していた端末群への
アクセス権を確保しております」
言葉は濁していた。
けれど、
意味は十分すぎるほど伝わった。
叔父の顔から、
血の気が引いていく。
……そうか。
あのときの、
桐岡のキーボードの音。
あれは、
ただ記録を取っていただけではなかった。
私の知らないところで、
もう戦いは始まっていたのだ。
「収益の流れも確認済みです」
次の資料。
複雑に枝分かれした送金履歴。
海外法人の名前。
見慣れない英字。
「広告会社への投資。
それ自体に問題はありません」
一拍。
「ですが——」
ページが切り替わる。
叔父の表情が、固まった。
「こちらについては、
説明が必要でしょう」
そこには、広告会社を経由した別の送金先が記されていた。
仲介業者。
不自然に消された契約履歴。
「悪質な仲介ブローカーとの、
継続的な取引記録。
こちらも、
証拠を保全済みです」
会議室の空気が、
一段と冷えた。
叔父は何か言おうとした。
だが、
言葉にならない。
口を開いて、閉じる。
それを繰り返すだけだった。
「以上を踏まえ、
澤森財閥としての提案を申し上げます」
提案。
そう呼ぶには、
あまりにも一方的だった。
「今後、貴殿は貴子様を含む、
澤森家一切との接触を禁じます。
業務上、
私的を問わず。
直接、
あるいは間接的な干渉も含みます」
カタ。
「本件について、
速やかに応じる場合——
この事実は、
公にはいたしません。
役員会にも。
株主様にも。
必要以上の共有は行わない。
御社の名誉は、
しっかりと保証させていただきます」
静かな慈悲。
けれど——
「応じない場合は」
空気が張る。
「取締役職の即時剥奪。
グループ傘下資格の永久停止。
関連資産の差し押さえ。
加えて——
必要に応じて、法的措置へ移行します」
その瞬間。
叔父が、
完全に黙った。
あれほど饒舌だった男が。
言葉で人を追い詰めてきた男が。
ただ、
資料を見つめている。
指先だけが、
小さく震えていた。
反論はできないのだろう。
逃げ道は、
もう一つも残されていない。
祖父は、
その様子を無言で見ていた。
杖を握ったまま。
何も言わない。
それでも——
この場を支配しているのは、
間違いなく祖父だった。
帯に挟まれた扇子の金の親骨が、
ぎらりと視界を突く。
私は、
それをぼんやりと見ていた。
……助かった。
そう思うべきなのに。
これで、
終わるはずなのに。
胸の奥は、
何も動かなかった。
安心も。
喜びも。
怒りさえも。
ただ、
空っぽだった。
桐岡の打鍵だけが、
規則正しく響いている。
カタ。
カタ。
カタ——
その音だけが、
まだこの世界に何かが残っていることを、
教えてくれている気がした。
——そのときだった。
カタ。
……桐岡の指が、止まった。
それは、この場で初めてのことだった。
「……どうしました」
父の声に、
桐岡は答えない。
画面を見つめたまま、
もう一度キーを打つ。
カタ。
カタ、カタ。
……止まる。
その横顔が、
初めてわずかに曇った。
「……桐岡?」
母が呼ぶ。
それでも返事はない。
代わりに——
「……なるほど」
叔父が笑った。
小さく。
喉の奥で。
あの嫌な笑い方のまま。
「やはり、
そこまでは読めなかったか」
全員の視線が、叔父へ向く。
祖父だけが、
微動だにしない。
「……何をしたんですか」
桐岡の声が、
初めて低くなった。
叔父は椅子にもたれ、
口元を歪める。
「保険だよ」
スティックシュガーを掴み、
桐岡から視線を外さないまま、ゆっくりと封を切った。
そのまま、大きな帆を描いてから
コーヒーカップに流し込む。
「万が一、私の管理権限が第三者によって奪われた場合——」
嫌な予感が、胸を刺した。
スプーンを回す手に、
脳内も一緒に掻き乱される。
「貴子くんのアカウントは、
すべて自動的に消去される」
……え?
一瞬、意味がわからなかった。
「権利を奪われるなら、価値ごと消す。
当然の備えだろう?」
ゆっくりと笑い、
不気味なほど大きな音を立てて啜った。
「消えるように、組ませてもらった。
そこまでは、
解析できなかったようだね」
舌で口元を舐め回す。
獲物にかかった獣を憐れむ目で、桐岡を一瞥する。
呼吸が止まった。
耳鳴りがする。
何か言わなければ。
そう思うのに、声が出ない。
「やめ……」
掠れた声。
「やめて……」
腐った欲望の化身が、私を見る。
勝ち誇った顔で。
「君にいいことを教えてあげよう。
一流は、アクシデントにも迅速に対応できるように、常に先を見据えているのだよ」
「ズルい人間は、不思議なほど企んでいる生き物なのさ」
「嫌なら、私を追い詰めるべきではなかった」
カタ。
桐岡が、
再びキーを叩く。
カタ、カタ、カタ。
速い。
今までで、一番速い。
必死に。
何かを止めようとしている。
私の歌を。
私の時間を。
私が生きてきた証を。
守ろうとしている。
けれど——
「……駄目です」
その一言で、
世界の音が消えた。
桐岡の指も止まっていた。
誰も、言葉を発せない。
ただ——
私の呼吸だけが、
浅く、乱れていた。
倫理観の廃れた男が、静かに息を吐く。
「私も一つ事業を失うことになる。
だが——
それくらいの覚悟は、とうにできているよ」
ゆっくりと立ち上がり、
祖父へ向き直る。
「喜代四郎様。
孫娘様には、
大変不快な思いをさせてしまいました。
ご要望どおり、
私は手を引きます。
澤森家から受けた恩義は、
我々金村グループ一同、
如何なるときも決して忘れません」
顔を上げる。
その目だけが、
笑っていた。
「どうか——
いつまでもお元気で」
「……その恩を、仇で返しおって」
祖父の低い声が、
会議室を震わせる。
「どこまでも、我らを愚弄するか」
得体の知れない怪物は、
小さく肩をすくめた。
「ご冗談を。
ご要望には、きちんと応えましたよ」
一拍。
「それとも——」
私を見る。
「まだ、何かお望みですか?」
その言葉を最後に、
私は部屋を飛び出していた。
両親も。
啓一も。
財閥の人たちも。
祖父も。
桐岡も。
みんな、私のために戦ってくれた。
眠る時間を削って。
怒ってくれた。
涙を流してくれた。
腑が煮え繰り返りながらも、
誠意を持って、向き合ってくれた。
それなのに——
誰も望まない結末になってしまった。
権力には抗うな。
すれ違うすべての役員から、
そんな言葉を吐き捨てられた気がした。
誰も悪くない。
そんなことは、
言われなくてもわかっている。
それでも。
叔父の言葉を、否定したかった。
音楽は。
表現は。
私は——
誰かの商材なんかじゃない。
誰もが幸せになるために。
誰もが、
愛する人を守るために生きている。
歌って。
笑って。
抱きしめ合って。
ときには、ぶつかり合って。
そうやって、
人生を豊かに彩っていく。
その手助けをするものが、
歌であり、音楽であり、
表現であるはずだった。
私の描いていた理想とともに——
"りさこわも"という、私の居場所は。
この日——
世界から、消滅した。
♫♫♫
その知らせは、瞬く間に広がった。
伝説の歌い手——りさこわも。
彼女が、
突然、歌い手の世界から姿を消した。
引退。
失踪。
ネット中が騒いだ。
あの番組で、
さらに話題をさらっていた“もう一人の私”は、
幸田たちや叔父との騒動の最中でさえ、
確かに多くの人を魅了していた。
学校でも、
その話題でもちきりだった。
「なんで?」
「急すぎるよね」
「垢ごと消えるのは変じゃない?」
「もしかして、病気とか?」
「あーあ。わもちゃんの歌で、テスト乗り切ろうと思ってたのにー!!」
「俺も!!」
無邪気に交わされる言葉。
その一つ一つが、
胸に小さな棘のように刺さった。
何日も、
涙が枯れるまで泣いた。
目の腫れに気づいたクラスメイトが、
心配そうに声をかけてくる。
私は咄嗟に、
その話題に合わせた。
りさこわもの引退が悲しくて、
泣き疲れてしまったのだと。
……実際、
半分は間違っていなかった。
南も。
啓一も。
好恵も。
私を元気づけようと、
くだらない話をして、
無理にでも笑わせようとしてくれた。
押しつぶされそうになるたびに、
誰にも見つからない場所へ連れ出してくれて。
私が泣き止むまで、
何も言わず、
ただ隣で待っていてくれた。
それだけで、
少しだけ心が軽くなった。
……ほんの少しだけ。
けれど——
そんな騒ぎも、
結局は一瞬だった。
中間テストも終わり、一ヵ月も経てば、
もう誰も"りさこわもの話"をしなくなっていた。
まるで、
最初から存在しなかったみたいに。
人は忘れる生き物である。
驚くほど、簡単に。
悲しいほど、綺麗に。
昨日まで"一番好き"だと言っていた人たちが、
もう別の誰かの歌を、
楽しそうに口ずさんでいる。
新しい流行。
新しいスター。
新しい“推し”。
世界は、
何もなかったように回り続ける。
……どうせ。
どれだけ綺麗に見えても。
私の知らない場所では、
似たようなことが起きているのだろう。
そんなことまで、
考えてしまう自分がいた。
あれほど好きだったはずの音楽。
歌うことも。
聴くことも。
誰かの声に心を動かされることも。
もう、できなかった。
イヤホンを耳に入れるだけで、
胸の奥が苦しくなる。
流れてくるメロディが、
全部、遠いものに思えた。
音楽は、
私を救ってくれるものだったはずなのに。
いつの間にか、
私を壊したものに変わっていた。
チャイムの音。
ペンをノックする音。
チョークが黒板を擦る音。
書類通しが擦れ合う音。
吹奏楽部の練習音。
運動場から響くホイッスル。
街を行き交う車の走行音。
消防や救急車のサイレン。
子どもたちの笑い声。
誰かの足音。くしゃみ。
カラスの鳴き声。
空気が震えるたびに、
心の傷を無理やり掻き回されるようだった。
耳を塞いでも、音は頭の奥まで入り込んでくる。
まるで世界そのものが、私を嘲笑うかのように。
そうして私は、
部屋に閉じこもった。
カーテンを閉めて。
スマホの電源を落として。
誰にも会わず、
何も聴かず、
まだ途中の本も開かず、
部屋の明かりも付けず、
ただ、静かな空間の中で。
自分の中から、
少しずつ“音”が消えていくのを、
感じていた。
♫♫♫
久しぶりに、
スマホの電源を入れた。
画面いっぱいに、
通知が並ぶ。
南。
啓一。
好恵。
それから、
クラスメイトたちの名前。
思ったより多いはずなのに。
……なぜだろう。
どの言葉も、遠く感じた。
心配の声すら、
もう私には届かない。
返信する気にはなれない。
……もう、
このまま消えてしまいたかった。
目を閉じても、
あの日の会議室が蘇る。
両親の涙。
祖父の怒り。
桐岡の、
最後まで諦めなかった指先。
あの怪物の、憎たらしい笑み。
そして——
——だったら、独りで生きてみろ。
——今まで散々、
財力に守られてきた君が。
——資本主義を否定するのか。
耳の奥で、
何度も反響する。
——権利を奪われるなら、
価値ごと消えるように組ませてもらった。
——どうか、
いつまでもお元気で。
……消えない。
消えてくれるはずがない。
忘れようとするほど、
言葉だけが鮮明になっていく。
生まれて初めて、自分の家柄を呪った。
たとえ貧しくても。
欲しいものが、
思うように手に入らなくても。
家族がそばにいて。
好きなように歌えて。
友達と笑って。
好きな人と、肩を並べて歩ける。
もしそんな人生だったなら——
私はもっと、
私として生きられたのだろうか。
生まれ変わって、
金持ちの“大人”の道具にされることのない人生を歩みたい。
そんなことさえ願ってしまう自分にも、
嫌気が差した。
……もう、
考えることもやめよう。
何も感じなければ。
何も望まなければ。
きっと、
これ以上傷つかずに済む。
スマホの画面を伏せる。
空虚な闇の中で、
悪魔の身勝手な演説だけが消えなかった。
それでも私は、目を閉じた。
眠るというより——
意識を、どこか遠くへ沈めるように。
そのまま、私は眠りについた。
♫♫♫
貴子が学校に来なくなって、気づけば十日も過ぎていた。
彼女が学校を休んだことなんて、これまでで一度もなかった。南や啓一がズル休みをした日の夜にはお節介な電話が鳴り止まず、翌日の放課後までガミガミ言い続けてきたくらいだった。
そんな風邪すら引いたことのない貴子が学校に来ていないだけで、南はがっしりと心臓を掴まれた気持ちになっていた。
啓一も、南も、好恵も、クラスメイトも、
全員連絡が取れない。
事情もざっくりは聞いていたため、
理由にも検討がついている。
けれどさすがの南でも、淡いため息が漏れる。
十一月の冷めた夕焼けが、
場違いなほどに空を赤く染めている。
街ではイルミネーションが光り始め、
カップルや親子、他校の学生たちが賑やかにスマホを回しながら笑っている。
貴子が好きな風景。
送ってあげたら、きっと喜んでくれる。
——そう思ったのに。
もし既読すらつかなかったら。
そう考えた瞬間、指が止まった。
ボタンが重たい。
手袋をしているのに、
指先が固まって、動かない。
南はしばらくその場に立ち尽くし、
自分の吐く白い息を見つめていた。
泣く資格なんて、自分にはない気がした。
ずっと闘っていた彼女に、
これ以上ない絶望と喪失を体験した幼馴染みに、きっと顔向けできなくなってしまうから。
悔しさと寂しさを押し殺し、
南は地下鉄に向かうエスカレーターを下る。
太った中年男に、せかせかと順番を掻っ攫われる。
電車がホームに着くまでの数分も、
どんよりと冷たい色をしていた。
到着する直前、その鉄の箱は耳を引き裂くような金属音を立てて止まった。
南は思わず顔をしかめる。
最近は、
こんな音ですら胸の奥を掻き回してくる。
まるで、
悲しむことすら許さないように。
混沌とした心の奥に、追い討ちをかけるように。
自分が並んでいる車両の列だけが、
不自然なくらいに長かった。
♫♫♫
翌日。
啓一と好恵の出場する全国大会を見届けた後、その足で貴子の家に向かった。
「好恵ちゃん。お疲れ様」
南は重たい空気を裂くように、明るく振る舞う。
だが、無理をしているような、そんな感覚。
「…ありがとうございます。
…でも銀賞だったので、とても悔しいです」
金賞を取ったら、
真っ先に貴子へ報告する。
そう約束していた。
好恵は涙をぐっと堪え、マフラーを巻き直す。
「……金賞取るって約束したのに。
…すみません」
はち切れそうな悔しさを、
押し殺すように歩みを進める。
「……好恵ちゃんたちの気持ちは、
ちゃんと伝わったよ。
音も、とっても調子よかったよ!」
「ほら!元気出して」
背中をポンポンと叩く。
悔しさを、祓ってあげるかのように。
その手も、どこか震えていた。
「…動画はちゃんと撮ったよね?啓一」
「…ああ。バッチリだよ!」
けれど、
その動画を見せる相手が、
今の貴子に残っているのか——
誰も口にはしなかった。
乾いた表情のまま、空気に飲まれまいと笑っている。
「ほら好恵。食べろよ。
お前も貴子も、大好きなシュークリームだ」
「ちょっと〜!私も抜けてる〜!!」
妙な意味を含んだやり取りに挟まれながら、
好恵はシュークリームを頬張る。
同じお店で、同じ生地なのに、
どうしてか、甘さが足りない。
あの夏と今とでは、状況が違いすぎている。
やがて二人の言い合いも静まり、
空虚な足音だけが、日の短くなった路地裏に響き渡る。
風が吹き、足元の落ち葉が、
乾いた音を立てて転がった。
南は無意識に歩幅を緩め、
買ったばかりの赤いコートの襟を掴んだ。
——本当は、
まだ見たくなかった。
見てはいけない気がした。
扉の向こうで、
幼馴染みがどんな顔をしているのか。
それでもどうしてか、
足を止めることは出来なかった。
ここで自分たちが行かなかったら、
もう二度と、会えなくなる気がして。
♫♫♫
お屋敷の門に着くと、
使用人の一人と目が合った。
お客を乗せたタクシーを見送った直後だったらしい。
南たちは一礼すると、
その使用人は門の中へと案内し、
すぐさま両親を呼び寄せる。
啓一と好恵の顔を見ただけで、
誰に用があるかはすぐにわかる。
さすがは長年仕えているだけはある。
二人と比べて、屋敷に上がったことは少ない南は、少しだけ羨ましそうに空を見上げた。
ベテルギウス。
シリウス。
プロキオン。
子どもの頃、四人で並んで見上げた星々は、
今でも変わらず瞬いている。
無情な程に冷めた世界が、
三人の抱える痛みを、少しだけ切なく締め付けた。
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