現代ネット文化と都市伝説を融合させた導入が非常に魅力的です。引きこもり主人公の閉塞感から一転、怪異との遭遇へ雪崩れ込むテンポが良く、一気に読ませます。見える主人公と見えない梓の対比も明確で、バディものとしての期待感が高いです。怪異の描写は不気味で映像的ですが、軽妙な会話が重さを緩和しており読みやすさもあります。続きが気になる導入でした。
主人公や怪異対策局は命を張って怪異を対策する。でも特に倒すことが出来るわけじゃない。それどころか封印や祓うことさえほぼ出来ない。「流れを変える」という一時しのぎしか出来ないという所に行政機関っぽいリアリティを感じます。怪異の入口は「スマホの通知」や「ネット掲示板」「ネット広告」といった、我々が「この今の瞬間」も目にする馴染みあるもの。日常的でいつもは意識しないその隙間から「孤独」を餌に怪異が忍び寄る。疎外感を感じる人に深く刺さる、そんなホラーです。