カクヨム文芸界きってのカルトヒーロー、青山翠雲氏が、世の中の現代的課題を鋭く分析した名随筆集です。
吉田兼好「徒然草」、清少納言「枕草子」、鴨長明「方丈記」の三大随筆に加え、遠い将来、この「多異夢慕観」が加わり、四大随筆と呼ばれることを願ってやみません。
翠雲さんはこのエッセイ集で、三大随筆になぞらえてテーマを設定し、自らの考えを開陳しています。徒然草では、今ホットな「AI」が今後持つに至るであろう感情を、枕草子では現代の男女の「愛」の分析を、そして方丈記では人生の終盤に差し掛かって自らを省みる「哀」という、すべて韻を踏んだ異なるテーマを、時に楽しく、時に格調高く語られています。
まあ、ところどころ、ドロンジョ様とか、ビジンダーとか、「枕の精子」とか、「豊情期」など、彼らしい脱線も見られますが、概ね真面目な論考と言ってよいでしょう。
翠雲さんの豊富な知識と深い考察で著された本作。読めば必ず得るところがあり、「たまにはこういうのも読まないといかんな」と思わされる作品です。
わたくしはお勧めしますよ!