第1話の主人公・黒瀬小春のキャラクターが最高だ。口座残高142円、バイト先は地震で倒壊、「クソゲー耐性450%・現実係留値8%」というステータスを叩き出すフリーターが、怪しい裏バイトVRに飛び込んで崩壊した仮想空間に辿り着く。そこで敵の巨大バグ怪物に対して彼女が取る行動が「Tポーズ」というのが笑えてたまらない。3Dモデルのバグ技を戦闘に転用するという発想がとにかく斬新で、しかも「クソゲーの当たり判定のガバさなら農村シミュレーターの方が上だよ」と呟きながら致死の被弾軌道に自ら滑り込んでいく飄々とした態度がキャラクターの魅力を一発で決定づける。SF設定(局地的地震が日常化した2045年)と笑えるゲーム描写が絶妙に噛み合っていて、続きを読まずにいられなかった。