応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • 最後の胚移植への応援コメント

    文芸部へのご参加、ありがとうございます。
    日常の延長線上にありながら、どこか非日常の緊迫感が漂う不妊治療クリニックの空気感。看護師のやたら元気な声や、アナログなカルテ、締めるのにコツがいる内鍵といった具体的なディテールが非常にリアルで、主人公がこれまで重ねてきた時間の重みが一気に伝わってきました。

    ■ 全体を読んでの感想
    最初は針から目を逸らしていた主人公が、今では看護師の手際を観察できるほど「慣れてしまった」という描写に、これまでに積み重ねてきた回数の多さと切なさが滲んでいます。
    そしてラストの「泣ける体力だけは――残しておかなくては。」という一文の静かな凄み。期待することへの恐怖を抱えながらも、結果がどうあれそれを受け止めようとする主人公の、擦り切れながらも踏みとどまっている強さに、胸が締め付けられるような深い感動を覚えました。

    ■ お題「省略法」の活用について
    本作では、テーマである「省略法」が、説明的なノイズを排除し、主人公のリアルな孤独と切実さを際立たせるために、最も効果的な「引き算」として使われていました。

    ・【これまで費やしてきた『時間とお金と努力』の省略】
    「この数年間の努力、お金、時間。そんなものは、どこにも書かれていない。」という一節。この数年間にどれほど傷つき、いくらのお金を費やし、どんな思いで病院に通ってきたかという具体的なエピソードがあえて一切語られず「省略」されています。この大きな引き算があるからこそ、手書きの丸印がついた「一枚の萎びたスケジュール用紙」という小道具の存在感が劇的に際立ち、書かれていない数年間の重みが、読者の胸にダイレクトに、より深く想像させる余白となっていました。

    ・【スケジュールの先にある『結果』の省略】
    物語の最後、今回の移植が成功するのか否かという「結果」はあえて書かれずに物語が幕を閉じます。ただ「日付が終わる頃」という未来の提示と、涙のための体力を残すという決意だけで筆を置く。この究極の省略法によって、今まさに個室のベッドの上で静かに順番を待っている主人公のリアルタイムの緊張感と、祈るような余韻が、読後もいつまでも波のように残り続ける見事な構成でした。

    ■ 最後に
    省略法という技法を、言葉を尽くせないほどの過酷な現実と、それでも前を向こうとするかすかな希望を、静かな行間にしっかりと閉じ込めるための「誠実な表現」として使いこなされた素晴らしい作品をありがとうございました。
    また部室にて、あなたの紡ぐ、心に深く突き刺さる切実で美しい物語に出会えるのを心より楽しみにしております。

    作者からの返信

    企画に参加させていただきありがとうございます。
    また丁寧に読み解いてくださって、とても嬉しいです。
    こうやって言語化されると、なんだか気恥ずかしさすらありますが、勉強になります。
    ありがとうございました。

  • 最後の胚移植への応援コメント

    不妊治療は必ずしも良い結果が得られるとは限らないですが、一縷の希望にすがりたくなりますね。
    病院側からすれば大勢いる患者の一人になるのでしょう。頭ではわかっていても……。

    企画にご参加いただきありがとうございました。

    作者からの返信

    読んでいただいて嬉しいです
    仰る通りと思います
    色々な温度差に敏感になったりもするのでしょうね…
    こちらこそ企画開催ありがとうございます。