発想の出発点が面白い。「異世界チート転生もの」というジャンル自体を「邪神が送り込んだバグ」と定義し、そのバグを祓う側の神使ふたりを主人公に据えることで、ありふれた「ざまぁ」ものを全く別の角度から読ませる構造になっている。
イエベ(分析・論理担当の金髪ギャル)とブルベ(考える前に体が動く寡黙な武人)というバディの組み合わせはシンプルに機能していて、毎話「論理でぶっ刺して、物理でとどめを刺す」というリズムが心地よく繰り返される。
特に独自色が強いのが「織星浄衣」毎話違うファッションをまとって戦うという設定で、話タイトルが「ミリタリーでバグ祓い」「マリンでバグ祓い」「ゴスロリでバグ祓い」と並ぶ目次を見るだけでテンポの良さが伝わってくる。服が戦闘の一部として機能するという発想は、このジャンルでは珍しい。
伊勢神宮・鹿児島神宮・春日大社・住吉大社と実在の神社を出身地に設定しているのも凝っていて、日本神話への愛着が感じられる。完結済み74話・21万字、このラノWEB大賞応募中。「量産型転生者成敗もの」に食傷気味の人ほど、この切り口が新鮮に映るはずだ。