突然、身体の一部が動物のように変わってしまった人たち。
ロバの耳、熊の腕、羊毛の髪、犬鼻――。
それぞれが違った悩みや生きづらさを抱えています。
この物語が優しいのは、ただ「そのままでいい」と寄り添うだけでは終わらないところ。
無理に欠点をなくそうとするのではなく、その人が何を望んでいるのかを聞き、少しだけ楽になれる方法を一緒に探していく。
そして誰かに助けられた人が、今度は別の誰かへ手を差し伸べていく。
雪景色の中を進む仲間たちの旅は、少しずつ賑やかになっていきます。
ほっこりした会話やクスッと笑えるオチもありながら、読んだあとには心が少し軽くなる。
子どもにも大人にも届いてほしい、あたたかな物語です。
最新話(第3話)まで拝読しました。
本作品ですが、最初は異世界転生ものだと思っていたんです。でも、おかしい……とんでもなく、柔らかいストーリー。何でだろう??
突然ロバの耳が生えてしまった明るい少女。熊の腕を持つ王子様。羊毛の髪のお姫様。そして、犬鼻の騎士。身体の一部が動物に変わってしまい、それぞれにコンプレックスや苦手なものを抱える彼らなのですが、一人で悩むのではなく、仲間同士で互いの弱さをフォローし合っていきます。それは、優しさにも見えるし、心の強さにも見えました。本当は、私たちが日々やらなければいけないことを思い出させられ、心が洗われる思いでした。
あと、物語を彩る丁寧な風景描写も素晴らしいです!
雪解けの陽光やラストの七色の衣で飾られた雲といった鮮やかな景色が、まるで美しい絵本を開いているかのように目の前に浮かんできます。かと思えば、感動的な空気の中でしっかりズッコケるようなオチ(笑)も用意されていて!
ジャンルは童話とのことでしたが、お子様への読み聞かせのみならず、日々の疲れを癒やしたい大人にもおすすめしたい温かな物語だなと思いました。