南方大国リメルスの辺境領主の嫡男ラガン。
彼は国で十指に入る騎士「十剣」に選ばれた矢先、同じ十剣のトーラス卿による急襲で領都を失い、命からがら隣国へ落ち延びることになる。
誇りも地位も奪われた青年が選んだのは、復讐のためにまず“生きる術”を得ること──
冒険者としての稼業だった。
おっさん冒険者との出会い、スローライフのような穏やかな日々、そして時折吹き荒れる血風。
平穏と危険が交互に訪れる生活の中で、ラガンは騎士としての矜持と人としての強さを少しずつ取り戻していく。
失った故郷を胸に抱えながら、再起と復讐を誓う若き十剣の物語が、静かに、しかし力強く幕を開ける。
辺境領主の嫡男であったラガンは、凄腕の剣士にして、おっさん。だが、彼の故郷は大国リメルスの「十剣」によって滅ぼされてしまう。国は滅び、傷を負ったラガンは、かろうじて助け出した少女ルシオンとともに逃亡の旅に出る。
なんかもう、めちゃくちゃ時代劇なファンタジーです。領主の息子がちょい放蕩で、凄腕の剣士なんですが、その立ち位置が柳生十兵衛を彷彿させるし、国を滅ぼされ、家族や友人が皆殺しになる中、一人の少女を助け出して逃亡の旅に出る下りは『子連れ狼』。
ラガンはやがて、ダンジョン冒険者として生計を立てることになるのだが、「隻眼のラガン」としてその筋で密かに有名になる。ここから、迷宮街や貧民街での揉め事に巻き込まれるようになり……。
大きなものを失うことにより、強大な剣技を手に入れたラガンは無敵の剣士。彼が負けることなど無いように思えるのだが、世界は広い。ひりひりするような命のやり取りも、飄々と切り抜けるラガンのキャラと彼の冒険に、どきどきしつつも不思議と安心して楽しめる短編集です。
隙間時間にちらちら。たまに、もしくはいつも、そしていつまでも読んでいられる。とりあえずフォローしといて間違いなし。
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